TOEIC900でも英語が話せない日本人へ。まだワンチャンあるよ

映画やドラマのモゴモゴ英語が聞き取れない謎を教えます。

日本人のカタカナ発音は海外では通じません。

セサミストリートのエルモの発音が聞き取れない場合、あなたの英語はおそらく間違った方向に行っています。エルモの声のキーはとても高く、抑揚がはっきりしています。 エルモはものすごくはっきり話しています。セサミストリートは、まだ英語が上手ではない、アメリカの幼児向けの番組ですから。ですから、 エルモの英語が聞き取れない場合、セサミストリートを見て育ったアメリカ人英語の聞き取りは難しいでしょう。それは、NHK教育テレビの幼児向けの番組の日本語がとても簡単であるのと同じです。


日本人にはいまだに、『発音なんてどうでも良い。ヨーロッパ、インド、中国の人だってアクセントがあるじゃないか。』といった主張をされる人がいます。 確かに母国語を英語としない国の人は何かしら母国語のアクセントが英語にあります。しかし、彼らの英語の発音はそれほど悪くはないのです。 彼らの発音の違いは、言ってみればLinuxOSとmacOSぐらいの違いなのです。カーネル(核)の部分はほぼ同じなのです。 その一方、日本人のカタカナ発音はWindowsとmacOSぐらい違うといった感じなのです。かなりアーキテクチャに違いがあるのです。

 

では、そのアーキテクチャとは何でしょうか?

 

それは、メロディです。

 

ヨーロッパ、インド、中国、韓国の話す英語はメロディが大体あっている、のです。

大体です。完璧ではないですが、大外れしてないのです。

 

実際、シリコンバレーで働くインド人エンジニアのRやTHの発音は癖がります。 英語初心者の人が聞くと、なんだ下手くそだな。と思うかもしれません。 しかし、彼らの英語はメロディが大体同じなのです。

 

実はすごい上手なのです。

 

ですから、アメリカ人なら少し慣れてくれば、すぐに耳が慣れて聞き取りができます。

しかし、日本人のカタカナ英語はメロディがとても違うのです。

 

では、英語のメロディとは何でしょうか?

 

それは、リエゾンシュワアクセントを置く母音の位置になります。

 

ヨーロッパ、インド、中国の人はアクセントはありますが、リエゾンとシュワが正しくできています。 

 

英語を本当に向上させたいと思ったら、まずメロディを良くするとに全力を注いでください。 1年間、ただひたすらメロディの練習だけしてください。すると信じられないほど英語力が向上します。

 

なぜそう言えるのでしょうか? なぜなら発音の悪さが英語力向上のボトルネックになっているからです。 メロディがあってくると、何か今までつっかえていたものがスポンと取れ壁を突き抜けた快感が得られます。

 

英語が音楽のように心地よく聞こえてくるのです。

Weakest Linkという言葉があります。鎖(チェーン)全体の強度は、一番弱い輪っかの部分の強度によって決まるのです。 システム全体のスループットを向上させるには、ボトルネックを特定し、そこを改善します。 すでに強い部分をいくら強化してもシステム全体のパフォーマンスは変わらないのです。 個別最適化ではなく全体最適化をすることが必要なのです。 日本人の文法レベルは十分な強度を持っています。

 

それに比べ発音はかなり弱いのです。

受験英語の弊害で日本人は文法の間違いをとても気にします。 6年間もの間、私たちは英文法を中心に学び、間違えをその都度指摘され点数をつけられて来たからです。 その後遺症がまだ残っており、スピーキングにおいても、発音は気にしないのに文法的に正しく話すことを意識を集中します。

 

スピーキングにおいては、文法がデタラメでも発音が正しければ通じる確率がとても高いのです。

 

文法はどうでも良いとは言っていません。 相手に自分の意思を伝えることが目的変数とすれば、文法や発音はその説明変数になります。 そして、発音の係数の方が断然大きいのです。

さらに発音が良くなると精神的に楽になるメリットがあります。

 

営業マンとか商社マンとか心臓に毛が生えてるような人たちは良いのですが、 私もそうですが、大抵のエンジニアは生身の人間とコミュニケーションを取るのが苦手です。 日本語でも人前で話すのは結構勇気が入りますし緊張もします。 人前で英語を話すなんてもっと勇気が入ります。
そして、外国人にSorry?と聞き返されたときとてつもない精神的なダメージを受けます。 それが同じ日本人が同席していたらとても恥ずかしいです。

発音がよくなってくると聞き返されることがだんだんと無くなります。 聞き返されたとしても、『You mean ...』と、『あなたの言いたいことはこれこれこういうことか』と言い直してくれるようになります。 つまり、発音が良いと相手も全く聞き取れなかったわけではなく、文法的な意味が理解できなかっただけなので言い直してくれるのです。 単に一言Sorry?と聞き返されるより全然ましなのです。この繰り返しで文法もだんだんとよくなっていくのです。

日本に住んでる外国人は、日本人の英語に慣れているのでカタカナ英語でもだいたい通じます。 みな同じような発音の間違いをしますので簡単にパターンマッチできます。 しかし、海外旅行に行くとそうは行きません。 海外に住んでる外国人は日本人と会うのが初めてという人の方が多いのです。 また東南アジアなどそうですが、英語が母国語でないため英語が上手ではない人がほとんどです。 そうした場合、日本人の英語はほとんど海外では通じないのです。

実は、発音がよくなると、リスニングがよくなり、リスニングがよくなると発音がよくなる、の相乗効果があります。

関西の人と話していると、関西弁が移ることがあります。 人には耳から入った言葉をリピートする能力があります。 スピーキングとリスニングのメロディをシンクロさせてください。シンクロ率が上がれば、脳の負担がとても減ります。

 

そして、これは聞き手にも言えます。良い発音は相手に対する思いやりです。 聞き手も長時間、カタカナ英語を聞かされると脳が疲れるのです。仕事ならまだ我慢して聞いてくれます。みんな優しいです。ただそれは、他者の好意に甘えていることを認識する必要があります。

 

qiita.com


ビジネス英語ランキング